同じ境港出身ということもあり、以前からなにかと気にかけ可愛がって頂いている酒食ジャーナリストの山本洋子さんから「晩酌ごはんもHPでアップしてね」とリクエストを頂きました。むかしから、リクエストを頂くとやる気になる質なので、早速アップ。
晩酌は自宅はもちろん、蔵で蔵人さんと一緒に夕飯を食べながらのこともあれば「きょうはもう疲れた!ごはん作る気力なし」という日は外食でなどいろいろですが…。
きょうは、うち飯バージョン。
基本、私がその日食べたいと思うものを思いつくままにひたすら作り。出来上がった料理を見て、社長が自宅の在庫からお酒を選んでお燗をつけるというのが日々のパターンになっています。
本日のお品書き)
◎アスパラとクレソンがメインのサラダ
◎長芋とあかもくの酢の物(あかもくとは、海藻の名前です)
◎鶏のささみの梅紫蘇焼き
◎東郷湖のしじみの紹興酒炒め(しじみの粒が大きくてビックリ)
◎平尾揚げの焼いたの(おろし生姜とねぎ、七味で)ここのお揚げはサクっと軽くて本当においしくて。県内でも売っているお店が少ないので、見つけるとほぼ100%買ってしまいます。ツマミに最高。
本日のお酒)
純米吟醸 伝承強力27BY(数馬米)七號酵母
そのほか、生酛玉栄(26BY)と日置桜純米酒27BY 7号酵母 を少し。もちろん、いずれもお燗で。
40も過ぎてから、まさか酒蔵に嫁ぐことになるとは思っていなかった私にとって、これまでお酒はあくまで自分のなかで「これは好き」とか「これは苦手」と思っていればいいことでした。
でも、当たり前のことですがだんだんとお酒の味を言葉で表現することを求められる機会も増えてきて、なんとかそこに挑戦しようとすると、あまりの自分の語彙の貧困さに気づかされるばかり…。
トホホ。伝えたいことはあるのに言葉が出てこない…。
料理ならまだしも、お酒の特徴や飲んだ感覚を言葉で伝えるって本当に難しく。たいした知識もない私が下手なこと言っちゃいけない!と思っていた時間も長かったのですが。
そんなとき社長に心のうちを見透かされたように「下手に酒の知識があるより、まずはちゃんとココ(心なのか魂なのか?)で感じることの方が大事だから」と力強く言われ、いまは言葉足らずなりに自分の目や鼻や舌で感じたことを話すようにしています。
何事も考えすぎる傾向にある私には「考えるな、感じろ」ということなのかもしれません。
そんなわけで、私にとって晩酌は自分の感覚とガチンコで向き合う時間。これがけっこう面白いのです。
(食と酒の実験室 山根明子)