リトットマルシェさんで酒粕料理教室

きのうは鳥取市吉成にあるリトットマルシェさんで、熟成純米酒粕 無垢を使った酒粕料理教室でした。リトットさんでの教室はこれで二回目ですが、おかげさまですぐに定員がいっぱいになり、ご予約の電話がなかなか鳴りやまなかったと聞きありがたい限り。

酒粕は体にいいことは分かっていて、うまく使いこなしたいけれどなかなか具体的な使い道がわからないという方は本当に多くて。「出張料理教室をやってくれませんか?」というお問い合わせを頂く機会も増えてきました。私自身も教室仕事は自分のこれまでやってきた経験も活かせ人様にも喜んでいただける大好きな仕事なので、今年はこういった活動により舵を切っていきたいと思っています。

さて、それはさておき…。今回の教室をするにあたっては、ひとつこれまでやったことのないスタイルに挑戦してみました。それはレシピ持ちよりスタイル。普段は教室で使うレシピはすべて自分で事前に試作を重ね用意をするようにしていたのですが、今回は二回目ということもあり、ゆくゆくはカフェスタッフさんだけでも酒粕料理教室ができるようになったらいいよね、という気持ちもありの初チャレンジ。

テーマは「春のおもてなしメニュー」とし、スタッフの松本さんと吉澤さんを中心にリトットさんには酒粕を使ったフレンチトーストのレシピを担当して頂きました。

酒粕を入れる分量、パンの種類、漬け込み時間や焼き方にも一工夫するなど、途中、いくつも改善を繰り返し、一緒に試食もして完成したのがこちら。酒粕を使った料理は焼くとどうしてもこげやすくなるのですが、今回のレシピはそのこげが逆においしさのポイントとなっていて、付け合わせのベリーソースに入った酒粕もベリーの風味をまろやかにしてくれていて、とてもいい組み合わせで私も勉強になりました。

そして私はというとこの酒粕フレンチトーストにも合う春の薬膳スープをご提案させていただきました。

春のイライラを緩和するあさりとクレソンのスープです。リトットのお客さまは健康に対する意識が高い方が多いので、薬膳にも興味を持っていただけたようです。

こんな風にいろんな知恵を持ち寄って教室を作っていくスタイルは、自分だけでは湧かないアイデアにも出会えるし何が起こるかわからないところが面白くて。当日のライブ感がたまりませんでした。なによりその場所らしいレシピが生まれるのがいいですね。

参加してくださったお客さまからも「肩がこらない自由な雰囲気が楽しかった」「酒粕のイメージがまったく変わった」「酒粕はこうでないとという先入観が消えたので、いろいろチャレンジしてみたい」などのご感想をいただき、美味しい時間をみなさんと分かち合えたことと、酒粕への固定観念みたいなものがいい意味で壊れたことがとても嬉しかったです。酒粕料理、思いつくままにどんどんチャレンジしてください。失敗したように思えることも、新しい発見につながる過程の一部と思えば怖くありませんよ。

あれこれするのは面倒くさいという方は、いつものお味噌汁に無垢をチョイ入れから試してみてもいいかもしれません。私もですが忙しいときはどうしても、買ってきたものでパパッと食事を済ませてしまいがちです。でも、実はそういうときこそ手間と時間をかけて造られたまっとうなお味噌や酒粕などの発酵食品(調味料)の力を借りるとなぜか心がホッとして癒される、そんな感覚を味わってもらえると思います。うまく言えませんが、グラグラした自分の軸がスーッと整う感じがします。

それすら疲れすぎてて無理ってときは、もうさっさと白旗あげて外食からの即寝コースで。食事は毎日のことだから、結局のところ無理しないのが一番かと…。何を食べるかも大事ですが、それ以上にどんな気持ちで食事をいただくか、そんなこともとっても大切だと思うこの頃です。

最後に、当日参加してくださったお客さま、イベント担当をしてくださった松本さんをはじめリトットマルシェのみなさま、今回も一緒に楽しい時間をつくって頂いたことに感謝いたします。ありがとうございました。また、どこかでお会いしましょうね。

                           (食と酒の実験室 山根明子)