昨日、お酒を造るうえでの主原料となる米の蒸し作業が終わり、おかげさまで当蔵の今期の酒造りも大きな一山を超えることが出来ました。
蔵では「甑(こしき)倒し」という区切りの行事がありますが、そもそも甑とは酒米を蒸す巨大な蒸し器みたいなもので。その蒸し器を使う仕事が終わって横に倒して片付ける段階まで来ましたよ(一区切りを迎えましたよ)、ということで蔵人の労をねぎらい宴を開いたりします。
そして甑が倒れると、これまで蔵に住み込みで働いていた蔵人もひとり減りふたり減り…。
今期のまかないの仕事も残すところあと数日となりました。蔵のみんなが大きな事故もなく大病もせず無事甑倒しの日を迎えられて本当に良かった…というホッとする気持ちと同時に、鳥たちが巣立っていくように、またそれぞれの場所に帰っていくシーズンがやってきたんだなぁという少し寂しい思いとが混ざり合っています。
写真はきのうそんなことを考えながら作った、蔵まかないの煮込みハンバーグ。朝、市場で見つけた芽キャベツがなんともかわいく春らしくてトッピングしてみました。
今夜は、外食で甑倒しの宴。
本格的な春の訪れまでにはあともう少しです。
(蔵まかない 山根明子)