養命酒さんで酒粕特集

以前よりレシピコーナーを担当させて頂いている養命酒さんのHP(健康レシピ)。今月の特集記事は「酒粕パワーで芯からぽかぽか薬膳冷え知らず鍋を作ろう!」です。

これまでも何度かこちらのコーナーで酒粕を使ったレシピをご紹介してきましたが、おかげさまで読者の方からの反響も大きいようで。かつ寒いこの季節にぴったりの食材ということでレシピ依頼をいただきました。

酒粕もそうですが、仕事としてだけでなく個人的にも体をなかから温めて免疫力を高めたり、巡りをよくすることやモノに対しての興味はつきることがなく。せっかく特集記事で酒粕をとりあげて頂くなら味や食材の薬膳的な働きだけでなく、 科学的なアプローチからも色々なお話を聞けると記事としてより面白いものになりそう!ということで、東京農大で発酵学がご専門の前橋健二先生の研究室にお邪魔してお話を伺いながら、実際に熟成粕(無垢)を使った鶏の水炊きを作ってきました。

当日は前橋先生、養命酒のスタッフのみなさま、そしていつも特集記事を担当されているライターの轡田さんと一緒ににぎやかに調理をし試食もしながら、酒粕の魅力を存分に味わいました。

前橋先生のお話は終始、発酵というものが持つ力や可能性に対して愛情と情熱を感じるものでした。

「酒粕は酵素が生きている調味料なので食材に働きかけて物質を変える力がある」「酒粕をはじめとする発酵食品のもつ美味しさは、単純に甘いとか辛いとかだけでない味の複雑さにある。じわーっとくる美味しさが本当の健康的な美味しさだ」「人間が美味しい!と感じる反応は、体にいいものを取り入れたという快感である」など思わずメモをとりたくなるような名言も飛び出し、自分自身も体感的に感じながらも、なかなかうまく言語化出来ずにモヤモヤしていたところがすっきりと腑に落ちた気がしました。

日本は世界的に見ても「発酵食品の宝庫」といわれるくらい地域ごとにその土地に根ざした発酵食があり、豊かな食の知恵をもった国だったはずです。ぜひこちらの特集記事をご一読いただくことで、少しでもまっとうな材料でまっとうに造られたお酒や酒粕をはじめとする発酵食品の魅力が伝わり、その本来の価値がもっともっと見直されるといいなと思っています。

                     (食と酒の実験室 山根明子)